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展示の見どころ

序章prologue

愛犬家ウォルト・ディズニー

ウォルト・ディズニー
ウォルトと愛犬
ウォルト・ディズニーも「犬が大好きだ。犬に囲まれた暮らしに満足している。犬を飼うために一生懸命働いていたようなものだ」と語るほど、生涯にわたって自他ともに認める愛犬家でした。そして動物に対し常に敬意を持ち、動物をそばでよく観察し、動物の個性に注目していました。動物の個体それぞれに哀愁やユーモアがあるからです。そして「なぜ動物はアニメーションの主人公となるのか?それはリアクションが必ず体で表現されるからだ」と語っていました。
Walt and his dogs

第1章Chapter1

動物のアニメーション表現

犬のカット
動物アニメーションの進化と革新
「101匹わんちゃん」では、犬が階段を駆け上がる、止まって振り向く、階段を下りる、繋がれた引き綱を引っ張る各カットを撮影した。これらすべては作品の中のカットを設計するのに確実に役立ったし、アニメーターが自然なアクションを作る手助けになった。だが、キャラクターに生命をもたらしたカットはどれも、アニメーターの想像力によって作られたものだ。犬ならこうするだろうと思うような犬らしい動きが描かれていた。カットやつながりに必要な動き以外にも、個々の性格のようなものをとらえるために、さまざまなアクションが撮影された。このような自然の動きがもっとも役立った。それらの動きに台詞、音楽、効果音などをつけると特別な意味が生まれ、その行動の質を高めることができた。

「生命を吹き込む魔法」(徳間書店刊)フランク・トーマス/オーリー・ジョンストン著 翻訳/スタジオジブリ より
Walt and his dogs

第2章Chapter2

「プルート」

ミッキーの相棒プルート
ミッキーの相棒プルート
プルートはミッキーの仲間たちの中では、唯一言葉を話さないキャラクターです。だからこそ表情の豊かさと体全体を使った大きなアクションで、いつも私たちを楽しませてくれます。とても無邪気で人懐っこい性格のプルートは、ウォルトが幼少期から一緒に過ごした犬たちへの愛情が込められているキャラクターといえるでしょう。
PLUTO

第3章Chapter3

『わんわん物語』

『わんわん物語』
アニメ史に輝く名場面の制作秘話
レディとトランプが恋に落ちる重要なシーンですが、当初上手くいくかどうか誰も自信を持てませんでした。トニーの店の裏口で2匹の犬がスパゲティをフォークも使わず直接頬張るシーンが果たしてロマンティックになるのか?2匹にとって大切な夜であり、決して茶番劇やギャグになってはいけない。ディズニーのアニメーターはその難題に挑みます。みなさんご存じの通り、誠実で繊細な描写によって名曲「ベラノッテ」とともにアニメーションの歴史の残る名シーンとして観客の心に響いたのです。
Lady and the Tramp

第4章Chapter4

『101匹わんちゃん』

『101匹わんちゃん』
101匹がスクリーンいっぱいに駆け回る
101匹がスクリーンいっぱいに駆け回る
ロンドンを舞台にテレビやクルマが登場する現代劇に加え、なんと101匹のダルメシアンがスクリーンを走り回るディズニーの意欲作です。101匹の白と黒の斑があるダルメシアンをアニメーションさせるために採用したのが、ゼロックスのコピーマシンでした。アニメーターの原画をトレースすることなく直接セルに転写することで、生き生きとした原画をそのままに、セルを量産化することに成功したのです。
101 Dalmatians

第5章Chapter5

『おしゃれキャット』

『おしゃれキャット』
3匹の子ネコ
長男のトゥールーズは画家志望、名前は画家トゥールーズ・ロートレックから、次男のベルリオーズは音楽家志望、名前は作曲家ルイ・エクトル・ベルリオーズから、そして末の妹のマリーは歌手志望、あのマリー・アントワネットに由来しています。
The aristocats

第6章Chapter6

再発見!名作“犬猫”作品

Oliver - Oliver & Company 1988
オリバー ~ニューヨーク子猫ものがたり~Oliver & Company 1988年
このストーリーは「クリスマス・キャロル」など英国を代表する国民的文豪、チャールズ・ディケンズの長編小説「オリバー・ツイスト」の舞台を19世紀のロンドンから現代のニューヨークへ移し、登場人物を主に犬猫に置き換えた作品です。街の片隅に捨てられた子ネコのオリバーが野良犬のドジャーと出会うところから始まります。
Bolt - Bolt 2008
ボルトBolt 2008年
ハリウッドの撮影現場で育ち、専用のトレーラハウスに住むスター犬。テレビ番組「ボルト」の世界が現実だと思い、スーパーパワーで飼い主である少女ペニーを守ることが自分の使命だと信じています。手違いから初めて現実世界に出て、自分が普通の犬であることに初めて気付き、自分発見の旅を通じて自分らしく生きることを学びます。

第7章Chapter7

印象深い“犬猫”キャラクター

チェシャ猫
チェシャ猫ふしぎの国のアリス 1951年
いたずら好きの一風変わった不思議なネコ。原作者のルイス・キャロルが創り出した、ちゃめっ気のあるキャラクターです。チェシャ猫の体はピンクとすみれ色のしま模様で、いつもニヤニヤ笑いを浮かべています。この猫は顔の部分を分解させたり、しま模様を動かしたりできます。ふいに現れたり、ニヤニヤ笑いだけを残して消えたりを繰り返し、なぞなぞでアリスの頭を混乱させます。
ナナ
ナナピーターパン 1953年
ダーリング家の飼い犬ながらウェンディ、ジョン、マイケルの乳母のようなお世話係です。頭巾を被ってベットメイクや子供部屋の片づけをします。またダーリング氏に叱られて外へ出される時も、自分の犬小屋の横につないでおくロープを自分で見つけてしまう賢くて従順なセントバーナードです。ネバーランドに行けずロンドンに残されてしまうナナの登場シーンは映画の冒頭と最後だけであまり多くはありませんが、子どもたちを優しく見守る愛らしい魅力的なキャラクターです。
Nana - Peter Pan 1953
ナナ
モチベイマックス 2014年
作品の舞台は、サンフランシスコと東京をかけ合わせた「サンフランソウキョウ」という町で、町並みなどに日本の要素が多く盛り込まれています。登場人物もハマダ姓で兄弟の名前もヒロとタダシです。そしてハマダ家の飼っている三毛猫の名前もモチ。丸まるとモチっとした姿で、ベイマックスからも「毛深い赤ちゃん」と呼ばれています。映画公開後もベイマックス&モチという短編シリーズが始まり、癒されるエピソードが満載です。
Mochi - Baymax 2014